2014年2月25日(火)14時から、森本英香原子力規制庁次長の定例ブリーフィングが行われた。本日の午前9時45分頃に東電福島第一原発4号炉の使用済燃料プール(SFP)冷却が停止する事故が発生した件について、森本次長は、規制庁の対応として、「現場の保安検査官が現地で監視している」と述べた。
- 記事目次
- 第44回原子力規制委員会の開催
- 原子力規制委員会 検討チームの開催について
- 質疑応答
第44回原子力規制委員会の開催
2月26日(水)10時30分から開催予定の委員会の議題について、以下のような説明があった。
- 議題1 独立行政法人原子力安全基盤機構の解散に関する法律の施行に伴う原子力規制委員会関係法令等の制定について
- 規制委員会の関係政令を変更するところまでは既に決まっているが、規則で課の諸相を決めることなどについて議論するという。
- 議題2 原子力規制委員会防災業務計画の修正について
- 規制委員会としての防災業務計画にJNESを活用している部分があるため、JNESの統合に伴い、これを修正することや、原子力災害対策指針が災害対策基本計画に反映されたことから、それを踏まえての修正を行うという。
- 議題3 緊急時対策支援システム(ERSS)における運用マニュアルの改訂について
- 各原子力発電所の状態を把握するための支援システムERSSはJNESが監視していたが、統合に伴い、規制委員会自身が常時監視するための運用マニュアルに改訂する。
- 議題4 中国電力島根原子力発電所保安規定変更認可申請(1号炉の高経年化技術評価等)の認可について
- 現在停止中の島根原発1号炉が40年を迎えているので、法令に基づき高経年化技術評価を行う。
- 議題5 東京電力福島第一原子力発電所敷地境界における実効線量の制限の達成に向けた規制要求について
- 特定原子力施設監視評価検討会で議論されていた規制要求の内容がまとまったので、規制委員会にかけ、東京電力に実施計画の変更を指示するといった内容。
- 議題6 東京電力福島第一原子力発電所におけるH6タンクエリアのRO濃縮水貯留タンク上部からRO濃縮水の堰外への漏えいについて
- 汚染水対策検討ワーキンググループで議論されているものだが、法令報告事項なので規制委員会に報告するもの。
- 議題7 燃料集合体ウォータ・ロッドの曲がりについて
- 柏崎刈羽原発におけるウォータ・ロッドの曲がりについて、最終的な評価を規制委員会に報告して議論してもらうもの。
原子力規制委員会 検討チームの開催について
- 2月25日(火)10:30 第84回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合※非公開
- 2月25日(火)13:30 第85回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合
- (更田委員。北海道電力、関西電力、九州電力から説明を受ける)
- 2月26日(水)14:00 第86回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合
- (島崎委員。事業者は未定)
- 2月26日(水)14:30 田中委員長定例記者会見
- 2月27日(木)10:00 第87回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合
- 10時スタート目途で、2月14日に申請のあった中部電力浜岡4号について、事業者から申請書の概要説明を受ける。更田委員、島崎委員が出席する。その後、更田委員担当で関西電力、九州電力、四国電力から説明を受ける
- 2月27日(木)13:30 第6回核燃料施設等の新規制基準適合性に係る審査会合
- 三菱原子燃料株式会社、原子燃料工業株式会社、日本原燃株式会社から説明を受ける。大村審議官が担当。規制庁から論点提示を行う
- 2月28日(金)14:00 定例ブリーフィング
質疑応答
記者:
25日の午前に、東京電力福島第一原発4号機で、使用済燃料プール(SFP)の冷却装置が停止したというトラブルが発生した。それに対して規制委・規制庁はどういった対応を取り、今後どのような対応をとる予定なのか。
森本次長:
4号炉使用済燃料プールの電源についての事故かと思うが、現場の保安検査官が現地で対応している。現地の保安検査官が、工事にともなうケーブルの切断、それによって生じた停電という状況について、監視をしており、東電からは12時55分の段階で復旧したので再起動していきたいという連絡を受けているが、実際に再起動したかどうかはまだ分からない。
記者:
今後はこのトラブルに対して何かアクションをするのか。
森本次長:
今のところ特に予定はしていない。引き続き監視をしていく。
記者:
法令の報告事象にはあたらないのか?
森本次長:
これはあたらない。水温が65℃に達するまでに相当余裕があるので、法令報告事象ではない。
記者:
26日の委員会の議題7 ウォーター・ロッドの曲がりは最終的な評価ということだが、事務局から評価案を出して、議論するということか?
森本次長:
全てのBWRの事業者から報告が出ており、事務局で取りまとめた結果、ウォーター・ロッドの曲がりは東京電力だけであったということがわかった。東電に対して直接要因と組織要因を分析し、評価、今後の求める対応について規制庁から報告し、委員会として最終的な評価をかためるという予定。
記者:
東電に対して、さらに対応を求めたり指導することを決定するのか?
森本次長:
この事故の要因が組織的な要因も考えられるので、それに対する対応を求めることもある。
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